ケータイ小説 活字革命論


ケータイ小説活字革命論―新世代へのマーケティング術 (角川SSC新書 37)」、遅ればせながらやっと目を通しました。伊東さん、ごめん! 論文の執筆がなければ、もっと後回しになっていたと思います。

論文ではデジタルネイティブについて書いているのですが、ケータイ小説というものが、デジタルネイティブ世代の特徴的なコンテンツであり、メディアだなぁ、と思い参考文献にさせていただきました。

私自身は中身を読むまでもなく、2年以上前に熱く(暑苦しく?)語る著者の生の言葉を聞いていたので、ケータイ小説の事はかなり理解しているものと自負しておりますが、本書はかなり整理されているなぁ、と感じました。

本書では「新世代」としか書かれておりませんが、これはまさしく日本のデジタルネイティブを指しています。
ちなみにデジタルネイティブとは、2006年10月に米ガートナー社が発表した定義で、その後世界的に広まりました。私が調べたところでは、ハーバード・ロー・スクールとスイスの大学とで共同のプロジェクトも発足しております。http://www.digitalnative.org/

執筆中の論文にもこのあたりは盛り込んでいるのですが、デジタルネイティブの定義には諸説あります。
まずはガートナー社。彼らは1990年以降に生まれた若年層としています。現在の高校生以下ですね。パソコンだけがネットへのゲートウェイではなく、携帯電話やiPodもデバイスとして使いこなす世代だとしています。

Digital Natives Project では、もう少し細かい条件があります。
まず、「生まれながらにデジタル」であること。そして、ITを通して、情報そのものや他者への接し方にある種の属性と経験を持つ者。年齢で分けることはできないと主張しているのも特徴です。
とはいえ、おおむね25歳前後が上限のようです。

またデジタルネイティブを番組として取り上げているNHK(放送予定が9月から10月に変わりました、ザンネン!)では、ガートナー社の定義をほぼ採用しているようです。特設サイトにデジタルネイティブ度チェックがありますので、気になる方はチェックしてみてください。
ちなみに私は60%でした。これって、どういうレベルなんでしょうね。チェックした人の結果をグラフなんかで見せてくれるとうれしいな、と思いました。

この本は、伊東さんの経験したことを通してケータイ小説のことが解説してあります。そういう意味では歴史的な背景のほか、実際にどんな風に盛り上がっていったのかがよく理解できます。

そうそう、最初にゲストスピーカーとして常磐大学に来てくれたときのことも少しだけ書いてありました。この本を長いこと放っておいて本当に申し訳ないと思いました。

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