テストの採点

先週実施したマーケティング論のテストの採点を終了。
実習の「水戸で飲食店を経営する」の結果は、先輩学生に評価してもらい、こちらは5段階評価、テストは4段階評価としています。これに出席率が加わって、最終的に成績を決めます。

テスト終了後に、ノウハウの伝承が行われていない、ということをこのブログで嘆いてみましたが、みごとに伝承されておりませんでした。

テストは論述式、持込可、というものですが、提出時に実習時のプレゼン資料と損益計算表を一緒に出してもらっています。どんな飲食店の経営を考えたのか、をテストを読みながら確認するためです。

しかし、これにひっかかるんでしょうね、答案として書くべきことをはしょってしまう学生が多いのです。問題として「説明しなさい」としているわけなので、答案だけできちんと説明していなければなりません。しかし、そういうことをすっ飛ばしてしまっている学生が多く見られます。

また、どうしてそういう考えに至ったのか、の理由を説明している学生も多いとは言えません。

その中で、テスト直後に「ペンタゴンモデルがわからなくて・・・」と言っていた学生が、もっとも面白い回答でした。読んで面白いことも採点者の私にとっては重要な要素です。
加点法なので、私が「ふんふん」と思える説明がどれだけ含まれているかが、テストの良し悪しを決めるのです。

この学生は、自分たちがなぜ「におい」にこだわったのかを徹底して説明しており、その視点と洞察力は、多少強引な点はあるものの、興味深く読むことができる内容でした。獲得した点数はトップで、テストは文句なくAです。

毎年2、3人が抜きん出ている答案を書きますが、実は全体のせいぜい5%程度しかおりません。
私の正直な評価としては、
A -- 上位5%
B -- 次の10%~15%
C -- 次の65%
D -- 残り15%~20%
なのですが、これで評価してしまうと3割ぐらいが落ちてしまうので、実際にはAを10%くらいに増量し、BとCを大幅に増やして35%~40%に、Dを5%~10%以内に減らします。
これでも出席率が悪い学生がいるため、毎年1割弱を落とすことになります。

出席率を評価に加える理由はグループワークがあるためです。周囲に迷惑をかけてはいけない、というルールを重視しているのです。

私自身は、大学生に出席率を云々することには、実は反対の立場です。授業に出なくてもテストで良い成績が取れれば、何の問題もないと思います。グループワークがなければ、ですけど。

しかし実際には、出席の良い学生のほうが成績が良いというほぼ比例関係にあります。どうしてそうなるのかはまだわかりません。

今回テストはマーケティング論だけですが、今週はSWOT分析の発表が別の授業であります。こちらは分析手法を身につけることが目的なのでテストは無しですが、3回のプレゼンそれぞれの平均値が成績となります。
普段はあまり考えることのない、政治や社会、経済の動向を前提条件として、強み弱み分析を行い、戦略にまで落とします。これはいっぱしの社会人でもけっこう難しい課題ですから、今頃学生達が苦しんでいることでしょう。どんな分析結果が出てくるのか楽しみです。

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