中国人の心理と行動


中国人の心理と行動 (NHKブックス)」を読了。
著者は東大の先生ですが、自身が中国に留学した経験から気づいた”関係(グァンシ)”について、長年調査・研究してきた内容がコンパクトにまとまっています。

著者の視点として、”面子(ミェンツ)”、”人情(レンチン)”と”関係(グァンシ)”について、多角的に追いかけていることが、最近中国人と付き合い始めたような人にも理解をたやすくしていると思います。

中国でビジネスを始めたい、中国人と付き合いがある、という方にはおすすめします。


「日本人と中国人は違う」という認識を持つべき、という著者の主張は当然ではあるのですが、案外見過ごしがちです。

その理由としては、姿形が同じモンゴロイドで似通っていること、日本語が上手な中国人が多いこと、生活習慣にも儒教的要素があり、これまた親近感がわくこと、などがあげられると思います。
そのために、著者のような研究が進んでこなかった、という側面があります。

欧米人は姿形が全く違いますし、宗教も一神教のため堅苦しいうえに、生活習慣が異なりますので、その違いを埋めるために研究が盛んであり、国別に違いが言えるくらいに熟知している方が多いわけです。

また、中国人とひとくくりにしてしまっていますが、実際には北京と上海の人は国が違うんじゃないか、というくらいに考え方が違います。

近くて遠い隣人について、このような研究がもっと進むことを望みます。



中国人の心理と行動 (NHKブックス)

園田 茂人 日本放送出版協会 2001-02
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