TBSドラマ 「夜行観覧車」にみる、いじめの構造

TBSドラマ 「夜行観覧車」を観ています。

湊かなえの文庫「夜行観覧車」が原作です。

湊かなえの作品が映画化・ドラマ化されていますが、実は私はあまり好きな作家ではありません。

新人賞をとった「告白」は、なんかすごい作家がでてきたな、と感じましたが、その後の作品にはどうも手がでません。

設定とか書きぶりとかが、私には「くどい」んです。

なので、実はドラマとか映画もあまり見ていないのですが、このドラマはなぜか観ています。

幸せな家庭で起こる殺人事件、というストーリーですが、基本的に「いじめの構造」を書き込んだ作品だと思います。
湊作品には多い裏テーマですね。


<その1>
普通のサラリーマンが歴史のある高級住宅街に越してきた。
設定は横浜なので山手あたりかとも思いますが、夏木マリ演じる住宅街のボスの言動は、鎌倉山的とも感じます。
歴史ある高級住宅街の住人の、強烈な選民意識やプライド、がこのドラマでは随所に出てきます。

教訓:
庶民生まれの庶民は、よほどの財産を持っていないとおつきあいしてもらえません。
表面上のお付き合いはお金で買えますが、古い住人からは「成金」とさげすまれることは覚悟しましょう。


<その2>
向かいに住む同い年の次男坊と同じ私立の名門校に入れなかった主人公の娘は、公立中学で知り合った女友達からいじめられます。
最近のいじめは、よくできる子とか、裕福な子がターゲットにされやすいみたいですね。
つまり中国が日本をいじめるみたいなもので、いじめの裏には嫉妬があります。

教訓:
この娘の行動が、一般的な中学生・高校生にみられるのかもしれませんが、中学・高校時代の友達が一生の友人ではない、と考えれば、少しは気が楽になります。
一匹狼という選択もあります。


<その3>
小泉孝太郎演じるところの息子が自分を拒否した原因を、殺人事件が起きた家族のせいにする住宅街のボス。
自分が原因だと反省しないプライドの高さが、さらなるいじめに発展しています。

教訓:
そういうオバサンからできるだけ遠くに離れること。
見栄で住宅街に残るより、さっさと出たほうが精神的にも正しい選択だと思います。


ドラマは中盤にはいって、複雑な裏話暴露的になってきています。
いじめの構造も、実はもっとすごいのかもしれません。



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