中国 対日戦略の微妙な変化


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先週、ある筋からのお誘いがあって、中国河南省の商務庁が主催する投資プロジェクト説明会に行ってきました。

河南省とは、殷墟とか洛陽とか、日本人にも耳になじみのある地名などで有名な、中国人のルーツともいえる省です。

説明会によると、河南省の人口は1億人で、中国内で最多。農業とその加工が産業の中心で、特に養豚と豚肉加工業が多いのだとか。
既に419社の日系企業が投資しているといいます。

河南省としては、農業と食品加工業も重要だけど、スマホとか自動車メーカーに拡大してもらいたい、と思っているようです。

そこで、この重点産業に対して、日本からも投資してほしい、というわけです。

11月には、河南省で現地説明会が省都・鄭州で実施されます。

昨夜放映されたNHK「中国激動 空前の農民大移住」では、重慶市による政策が取材されていました。

この政策とは、ずばり農民から土地を取り上げ、新たに誘致する工業団地の労働力になることを条件に都市戸籍を与えようというもの。
土地を取り上げられた農民は、安置房という高層アパートに無償で済むことができますが、思うように工場誘致ができず、工業団地は半分が空いているという状況のようです。

おまけに、工場が欲しがっているのは20代、30代の若者。
農村に残っているのは40代以上というミスマッチも起きています。

しかし、農民の戸籍だともらえない年金も、男性60歳、女性55歳になると夫婦で毎月1000元もらえるようになり、豊かな老後を保障するかのようなふれこみです。

河南省は交通の要衝、重慶市は1級都市ですが、農村の都市化を進めるにあたって必要なのは、どちらも海外からの投資です。つまり工業化をすすめ、農民を工場労働者に仕立て上げることで都市化を図りたいわけです。

そこで、再び注目しているのが日本なのではないでしょうか。
欧米に投資しろ、といったところで、彼らにはもっと近くて安い労働力がありますから。

河南省の説明で面白かったのは、産業クラスター群を形成したい、という点でした。

これは日本の投資家の方もおっしゃっておられたのですが、特定産業のサプライチェーン、たとえば自動車産業の場合、組み立て工場の周辺に部品工場が進出している場合、何か問題が起こったとしても、その場所からひとりだけ逃げ出せないし、新天地に行ったところで、サプライチェーンと切り離されてしまうため、結局仕事がなくなる。したがって、現地でクラスターを形成している産業の場合、容易にその土地を離れることができない、のだとか。

河南省の場合、Foxconnを中心に、スマホやタブレット製造においてクラスター集積を見込んでいるのだと思います。

とはいえ、今さら日系企業が中国に投資するでしょうか?
もう遅いのではないかと思いますけど。