「微生物ハンター、深海を行く
微生物ハンター、深海を行く | ||||
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生まれ育ちから、高校・大学での様子、その後研究者として、どのように道を開いてきたかをつづった、エッセイのようなものと理解しました。
内容は、高度な研究にも関わらず、とても理解しやすく、そして文章のテンポがよく、読みやすいです。
特に、ブログなどをよく読んでいる方には、なじみやすい文体だと感じました。
本書のターゲットは、高校生から大学院生
くらいまでだそうですが、大学生の甥にあげたところ、楽しく読み進めているようです。ターゲット設定は正しいようです。
が、大人が読んでも好奇心を刺激される、とてもおもしろい内容です。
周囲とうまくコミュニケーションをとりつつ自らの研究を進める
研究者というと、堅苦しくて、つむじ曲がりで偏屈で、という印象を持ってしまいがちです。
ところが、深海の研究ともなると、やはりチームワークが必要なようで、周囲とうまくコミュニケーションをとりつつ、自らの研究を進めるという、ある意味、優秀なビジネスパーソンのスキルが重要だとわかりました。
特に後半の、専門が異なる研究者と連携して、学際的領域をテーマにしようとなると、かなりのリーダーシップが必要になるようで、象牙の塔の人々も、結局のところ、自分のやりたいことだけを狭い範囲でやっていてはダメなんだ、ということを証明しておられます。
また、留学時代を含めた、海外での学会の模様などは、まるでビジネスマッチング!です。
こういう闘争心が、本当に良い研究仲間を集め、面白い研究をするためには必要なのだ、と目からウロコの内容です。
本書は、著者の希望するターゲットはもちろんのこと、ビジネスパーソンにもぜひ読んでほしいと感じました。
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