【野地 秩嘉】 「イベリコ豚を買いに」



イベリコ豚を買いに」を読了。

最近、どこでも見ますよね、イベリコ豚という豚肉。

この豚肉に興味を持った著者が、いったいどんな豚なんだ~、と調べていったドキュメントです。

この本を読むまで、本当のイベリコ豚とはどんな風に育てられているのか、まったく知りませんでした。

その辺で売っているイベリコ豚は、ドングリ食べていないらしいです。

ハモンセラーノという生ハムがありますが、あの豚はドングリを食べさせられるエリート豚ではない、量産型の豚なのだとか。

本当のイベリコ豚(ベジョータ)というのは、生産数が少ないうえに、ほとんどが生ハムか、または地元でグリルで食べられてしまっているのだとか。

しかもグリルすると、牛肉みたいに赤みがあって、ドングリフレーバーがするというのですから、一度、絶対に本物を食べたい!と食欲が刺激されました。

著者は、単に取材ではなくて、豚肉購入者となって、現地での生産者、加工業者などと直接会って話しているためか、スペインという国、スペイン人の人柄のようなものが、とても感じられます。

スペインに興味のある方は、ぜひ手に取るべき一冊です。

著者のおもしろい点は、豚の購入者として、新製品開発と販売網まで開拓したことです。

肉にかかわる仕事をしている方にも、手に取っていただきたいです。

素人ながら、さまざまなアイデアをだし、それを実現してくれる方々と出会い、協力しながら進めるあたりは、ビジネスパーソンにとっても参考になるのではないでしょうか。

ドキュメンタリーとしても面白いですが、何より、著者のまじめなお人柄に心打たれる一冊です。


イベリコ豚を買いに

野地 秩嘉 小学館 2014-03-31
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