【堀江貴文監修、竹内薫翻訳】 「我々はアノニマス」




我々はアノニマス 天才ハッカー集団の正体とサイバー攻撃の内幕」読了。

2012年にパーミー・オルソンが著した原書を、NHKのサイエンス番組でおなじみの竹内 薫 氏が翻訳、堀江 貴文 氏が監修した、アノニマスの実像に迫るドキュメンタリー、です。

アノニマスの母体となっているのが、日本の「2ちゃんねる」に触発されてできた「4chan」の板だったとは!と驚いたり、若いハッカーたちのチャットルームでの生々しいやり取りなど、とてもリアルでした。

なかでも、ラルズセックとして活動した若者たちを、ひとりの人間として、彼らの日常生活にアプローチしている点に、原著者の並々ならぬ意欲を感じました。


我々はアノニマス 天才ハッカー集団の正体とサイバー攻撃の内幕

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ラルズセックとして活動した数人は、ティーンエージャーを中心にした若者たち。


10代は理想主義者として行動する年代だと、私は思っています。

世間の常識や法律など、大人社会は、あらゆる矛盾に満ちていると、私も思春期の頃は思っておりました。


もし、目の前にインターネットがあり、プログラムを駆使する能力があったなら、アノニマスに加担していたかもしれません。
だって、悪い大人をやっつけて笑い者にするだけなんですから。



大人になって、社会の矛盾にも、それなりの歴史と理由があるとわかれば、多分やらないこと。それが彼らのやっていたことなのだろうと思います。
それだけ、精神的に幼いのだろうと感じました。



だからこそ、彼らを100%悪人として見られない、そして憎めない存在にしているのではないかと思います。

加えて、アノニマスの多くが、ネットの世界にリアルを感じる、一般社会では「落ちこぼれ」と評されやすい若者でした。リアルではとてもできないことをネットでやらかす、という感覚は、私には理解しがたいものですが、「旅の恥はかき捨て」的な行動も垣間見えます。これも匿名だからこそ、なのでしょうか。

ちなみに、仲間との力関係や、流動的な協力関係など、古いですが、全共闘と呼ばれる方々の活動にも似ています。
若いと過激になる。
どんな時代であっても、これがセオリーなのかもしれません。

「イスラエル国」をぶっ潰す、と先日YouTubeで宣言したアノニマスの実態は本書に描かれたものとは異なると思いますが、まずは参考書として手にとるべき一冊です。




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