一田 和樹 著「檻の中の少女 (a rose city fukuyama)」読了。
著者のデビュー作です。
年末に著者とお目にかかったときに、このとき既に3作は書いていた、とおっしゃていたので、プロになる人はちがうな~、と感じたことを思い出しました。
自殺支援サイト「ミトラス」、それを探る探偵役の君島が登場する、著者が得意とする設定の原型ともいえる作品です。
多くの参加者が集う、正体不明のグレーなサイトを設定して、それが原因と思われるトラブルが発生し、嫌々ながらも君島が解決に乗り出す、というパターンですね。
名探偵が登場する作品というのは、ある種のパターンを踏襲するものです。浅見光彦シリーズ(ほぼ読破)なんて、場所が違うだけで、内容は同じと思って良いですから。
そういう意味では、著者が描く世界観と設定は、日本では早すぎるのかもしれません。
サイバーセキュリティは目に見えない世界ですし、セキュリティ意識が低いですから。
私自身、いったい何が仕掛けられていたとしても、便利なアプリは使ってしまいます。
自分で、今自分が何をやっているのか、すべて報告しているようなものですし、またそれを容認しなければ、利便性を高くすることもできない・・・。
一種のジレンマです。
さて、本作も一気読みでした。
いまさら、一気に読んでしまいたくなる本なんてないだろう、と思っています。そして、そんな本は数年に一度、出てくるかどうかです。
が、一田作品は、今のところ、すべて一気に読了なんです。
これは、一田作品が前例のない、まったく新しい設定を提示し、世界観を見せてくれるからなのだと思います。次はどんな展開が待っているんだろうか、そこにはどんな人物が現れるんだろうか、という好奇心を刺激する作品群なのです。
本作は、そんな一田作品のはじまりです。
「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」受賞作なので、島田壮司(初期作品は読破)審査委員長の選評も掲載されていて、そんなに難しい話だったのか!?と感じたりもしましたが、おまけの解説代わりの余興として楽しめました。
単なる謎解きではない、家族崩壊の物語群のはじまりでもあるので、浅見光彦シリーズが家族愛を確認するミステリーとすると、その対極にある救われないミステリーかもしれません。
また、そういうストーリーが求められている時代でもあると思います。
著者のデビュー作です。
年末に著者とお目にかかったときに、このとき既に3作は書いていた、とおっしゃていたので、プロになる人はちがうな~、と感じたことを思い出しました。
自殺支援サイト「ミトラス」、それを探る探偵役の君島が登場する、著者が得意とする設定の原型ともいえる作品です。
多くの参加者が集う、正体不明のグレーなサイトを設定して、それが原因と思われるトラブルが発生し、嫌々ながらも君島が解決に乗り出す、というパターンですね。
名探偵が登場する作品というのは、ある種のパターンを踏襲するものです。浅見光彦シリーズ(ほぼ読破)なんて、場所が違うだけで、内容は同じと思って良いですから。
そういう意味では、著者が描く世界観と設定は、日本では早すぎるのかもしれません。
サイバーセキュリティは目に見えない世界ですし、セキュリティ意識が低いですから。
私自身、いったい何が仕掛けられていたとしても、便利なアプリは使ってしまいます。
自分で、今自分が何をやっているのか、すべて報告しているようなものですし、またそれを容認しなければ、利便性を高くすることもできない・・・。
一種のジレンマです。
さて、本作も一気読みでした。
いまさら、一気に読んでしまいたくなる本なんてないだろう、と思っています。そして、そんな本は数年に一度、出てくるかどうかです。
が、一田作品は、今のところ、すべて一気に読了なんです。
これは、一田作品が前例のない、まったく新しい設定を提示し、世界観を見せてくれるからなのだと思います。次はどんな展開が待っているんだろうか、そこにはどんな人物が現れるんだろうか、という好奇心を刺激する作品群なのです。
本作は、そんな一田作品のはじまりです。
「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」受賞作なので、島田壮司(初期作品は読破)審査委員長の選評も掲載されていて、そんなに難しい話だったのか!?と感じたりもしましたが、おまけの解説代わりの余興として楽しめました。
単なる謎解きではない、家族崩壊の物語群のはじまりでもあるので、浅見光彦シリーズが家族愛を確認するミステリーとすると、その対極にある救われないミステリーかもしれません。
また、そういうストーリーが求められている時代でもあると思います。
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