【吉田 修一】 「横道世之介」




横道世之介」読了。

いつかも書きましたが、一気読みできる小説が、最近は本当に少なくなってきたと感じます。

ですが、「横道世之介」は移動中にもかかわらず(乗り物に乗るとすぐ寝る私)、どんどん読み進められ、一気に読了でした。

先に映画のほうを観ていたのでストーリーは頭に入っていましたが、世之介という、何にも考えていない大学生の1年は、同時代人として懐かしく、そして嫌味がないのです。


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長崎県から上京して都内の大学に入学。
東京という、テレビでしか見たことのない場所での一人暮らし。
友達ひとりいないところからスタート。


今は、ネットを通じた友達がいたり、子供のころから東京に遊びに行くことも普通になってしまっていますから、そうそう、30年前の大学生の生活とはこういうものだったんだ、と思い出した次第です。

読んでいて思い出したこともいくつかあります。

1.バンブー

表参道から少し入ったところにあった(今もあるのかな?)サンドイッチのおいしいお店。
原宿でバイトしていたのでよく行きました。
まさか、モデルとかタレントがよく来る、という場所とは知りませんでしたが。


2.ホテルでバイト

主に男子でしたが、世之介と同じように、深夜勤務のホテルのボーイのバイトは、みんなやってました。
有名大学の学生がよくやっていた記憶があります。
でも今は、接客重視になってきているから、学生バイトをボーイに使ったりしないかもしれないですね。


3.清里

サークルでどこか行く、となると、夏は清里かどこかの海岸、冬は苗場とか群馬の奥のほうでスキー、というのが定番だったような・・・。
日焼けするのが嫌で、私は極力遠慮しておりましたが。
上越新幹線のガーラ湯沢駅は、スキーリゾートのためにできた駅のため、今では周辺のリゾートマンションは幽霊マンションになっているようですが。


4.バブル

特に女子は恩恵を受けたと思うのが、当時の日本の経済状況です。
朝まで遊んでも、ほとんどお金を払った記憶がない、というバブル女子が多いと思います。
その分、男子は割の良いバイトで稼いぐ必要があったと思います。


当時の風景を、地方出身の大学1年生の視点で描き切った、ステキな青春小説だと思います。



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