福島原発事故を詳しく知りたいなら「わかりやすいプロジェクト 国会事故調編」

朝のメールチェックには、私の情報源となっている様々なメディアからのメルマガがふくまれています。

ダイヤモンド・オンラインもそのひとつですが、その中に「巨大銀行破綻で消えた元行員は今どこへ【長銀OBのいま(1)】」という記事がありました。


長銀こと、長期信用銀行の破たんに直面した方々を取材した記事の第一弾です。

元銀行マン、それも相当に優秀でないと入行できなかった銀行のひとつですから、気になります。
それに働き盛りの年代に、自分が信じて入った銀行の破たんを迎えたときの気持ちにも関心があります。

今回の主人公は、石橋哲(いしばしさとし)さん。
銀行でのキャリアを生かし、転職を繰り返しておられましたが、2006年に独立され、事業や各種組織の計画策定・意思決定工程の支援を行うクロト・パートナーズの代表として、現在は複数企業の監査役や顧問などを務めておられます。

この石橋さんが、手弁当で立ち上げたのが、「わかりやすいプロジェクト 国会事故調編」です。

http://naiic.net/

東京電力福島原子力発電所事故の原因究明と再発防止に向けた提言を行うため、国会に設置された国会事故調による報告書をベースに、

「福島原発事故では何が起こったのか」
「福島原発事故の教訓とは何か」

を共有するために情報発信や対話の場づくりの活動を行っています。

これまでに2000人以上が参加したのだそうです。
ウェブサイトには、非常に簡潔でわかりやすいイラスト動画が掲載されていて、本当にわかりやすいです。

福島県の地元紙には、報告書の全文が、時折掲載されています。
このブログでも以前、紹介しました。

東電原発事故に関する調書詳報を読んだ


しかし、新聞の標準より文字も小さく、読みにくいため、また掲載されているのか、という程度で、福島県民でさえ、読み飛ばしている方のほうが多いと思います。

詳報を読むと、個人的な感想含め、いつ・どこで・何が起きていたのか、わかってきますが、全体を把握できるかといわれれば、それは困難です。
あまりに多くの関係者が存在し、調査そのものが多岐にわたっているためです。

報告書では、参考人聴取1167人、資料請求2000件以上、避難者アンケート1万人超という徹底した調査が行われているのだそうです。

このような膨大な報告書を、子どもがみてもわかりやすいように解説することは、とても大変な作業だと思います。
私自身、聞き取り調査やグループインタビュー、数千人規模のアンケート調査などを実施・分析してレポートを作成していましたので、報告書にまとめるだけでも一苦労だったことは理解できます。

それをさらに、わかりやすく、誰もが理解できるように、しかも英文解説までするとなったら、膨大な時間が必要であったと思います。
これをなさっている石橋さんには、本当に頭が下がります。

そして、このような活動があることを今日まで知らずにいたことが、福島県出身者として恥ずかしい限りです。反省。





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