【一田 和樹】 「ファミリーセキュリティ読本」




ネットの危険を正しく知るファミリー・セキュリティ読本」読了。

一田 和樹氏による、「サイバーセキュリティ読本」の続編です。

前作が、インターネット全般にわたる、セキュリティに関する内容だったとすると、今回はスマホをはじめとする、知らない間にネットにつながってしまっている家電なども含めたお話になっています。

”ファミリー”と題している通り、いまでは当たり前に利用しているSNSの危険性などにも言及していて、その事例として、章の間に、いかにもありそうな、そして一田氏らしいフィクションが挟み込まれています。




ネットの危険を正しく知るファミリー・セキュリティ読本

一田 和樹 原書房 2015-03-19
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by ヨメレバ


SNSの危険性の例として、ソーシャルエンジニアリングという、IT技術を使わない攻撃方法の情報源になっていることが指摘されています。

本書を読むと、だましのテクニックを使って個人情報を集めることが、いかにたやすいか、ということがわかります。


実際のところ、「この人面白いな、会ってみたいな」と思った人物の情報を集めるときに、SNSは多大なる情報源となります。
しかも、ご自分で情報を掲載し公表しているのですから、正しい確率の高い情報を得ることができます。

こんな初歩的なアプローチですら、善意で調べるのと、悪意を持って調べるのでは、まったく意味合いが違ってくる、ということを認識すべきだということを、数々の事例をもって、説明してくれます。

ネット生活を完全に止めることはできませんが、いつ狙われるかわからない、という気持ちで使うようにしたほうがよさそうです。

もうひとつ、ちょっと考えたほうがいいかも、と思わせられたのが、いわゆるシェア型のサービスです。

個人が部屋を貸す、車を貸す、といったサービスは、インターネット時代ならではですが、一田氏は、これらのサービスは便利なように見えて、実は品質や安全性の保証がないサービスである、と指摘しています。

つまり、なにか事故があったときに、一体だれが、その責任を取ってくれるのか?

責任の所在があいまいな、便利そうなサービスが増えていることによって、様々な規制も崩れつつありますが、本当にそれでよいのだろうか、という疑問を投げかけています。


本書は、どんな人にも有用な情報源になると思います。
ぜひ手に取ってほしいと思いますので、目次を紹介しておきますね。


プロローグ:サイバー安全度チェック

4個以上当てはまると危険!

第1章:避けられないネットの危険性と防衛策

第2章:個人情報漏洩、テロ集団の誘惑、薬物乱用、児童ポルノ、ネットいじめ   ソーシャルネットワークは危険な地雷原

第3章:基本的な防御のおさらいと情報収集の方法

第4章:サイバー冤罪事件は誰にでも起こりうる

第5章:普及型サイバー犯罪の脅威   万引きより簡単。電子スリからサーバ攻撃まで

第6章:パスワード、認証   超人でなければできない管理の強要はいつまで続くのか?

第7章:これってほんとに大丈夫なの?   スマホは穴のあいた財布、ネットゲームは犯罪者の狩り場

エピローグ:破壊の時代を生き延びるために


コラムとして下記のような内容が含まれています。

『モノのインターネット』の利便性と危険性

ゼロデイ攻撃ではない、防御できないサイバー攻撃とは

公共サービスなどのインフラにとって替わるソーシャルシェアサービス

クラウドという名の時限爆弾

できるだけ安全にネットを利用する方法

すぐそこで起きているサイバー戦争  身近なサイバー軍需産業

ウソつきが生き延びる、漏洩前提時代のサイバーセキュリティ



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