【ジェイコブ・ソール著 村井章子訳】 「帳簿の世界史」




帳簿の世界史」読了。

今年4月に出版されて、6月で4刷という人気ぶりの本書は、帳簿の歴史をつぶさに追ったもの。

世界史を学び、イギリス史を専攻した者として、この手の本は読んでおきたい一冊、ということで手に取りました。

おもしろい、の一言です。




帳簿の世界史

ジェイコブ ソール 文藝春秋 2015-04-08
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帯には「権力とは財布を握っていることである」とあり、本書で主張する、反映した国家・政府では、複式簿記が正しく運用され、監査も厳しく行われていたことを示しています。


しかも、著者略歴の中には、「ルイ14世が年に二回、自分の収入・支出・資産が記入された帳簿を受け取っていながらも、やがてその習慣を打ち切り、フランスを破たんさせてしまったという事実を知り」、本書の研究を始めたというきっかけが紹介されています。

これを読んだだけでも、世界史的に有名な人物がどんどこ登場してくることがわかります。

そうなんです、本書は帳簿の世界史ではありますが、世界史に登場する有名人たちの、お財布事情がわかるという内容なのです。




たとえば、フィレンツェのメディチ家がなぜ没落していったか、スペインのフェリペ2世の無敵艦隊がなぜ負けたのか、英国首相ウォルポールがなぜ財政危機を救うことができたのか、フランス革命のきっかけとなったネッケルによる帳簿公開、などなど、相当なメジャー級が登場します。

帳簿の歴史は、お金の使われ方の歴史でもあります。

かつての国王の多くは、帳簿をきちんとつけさせていたルイ14世や15世でも、戦費によって赤字になったりすると、自らの能力を責められているように感じるのか、帳簿をつけるのをやめさせてしまったり、監査をしなくなったりしたそうです。

そして、2008年の起こったサブプライムローンをきっかけとしたリーマン・ショックが、起こるべくして起こったことを、会計士という職業の変容からひも解きます。

前半は、歴史裏話的ではありますが、最終的には、グローバル化した現代における監査のむずかしさ、を語ります。


本書は、経理担当者や経営者はもちろんですが、歴史が好きな方にも楽しめます。
ぜひお手に取ってみてください。


帳簿の世界史

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