会津ほまれ酒造がIWC日本酒部門世界一!に思うこと


インターナショナル・ワイン・チャレンジ2015において、ほまれ酒造「会津ほまれ 播州産山田錦仕込 純米大吟醸酒」、日本酒部門で世界一となりました。

おめでとうございます!

こういう栄誉を受けると日本製品はすばらしい、と鼻高々になる割に、実は日本人の多くが、こういう国際コンペを馬鹿にしたり、エントリー費が高い、などといいます。

私自身、5年間、アメリカ発、独立系のビジネスアワード「The Stevie Awards」の日本代表を務めていましたので、いかに日本人が内弁慶なのかを十分に理解しています。

なので、どんな方がこのコンペにエントリーされたのか、とても興味を持っておりました。


なるほどというか、やはり、と思ったのが、ほまれ酒造の唐橋 裕幸社長が、アメリカでMBAを取得した方、という点です。

日本はメーカーがいまだに幅を利かせている社会なので、ものづくりに重きが置かれています。
そのため、良いものをつくっていれば必ず売れる、と思い込んでいる方が圧倒的多数なのです。

しかし、アメリカに代表される西欧諸国はもちろんのこと、新興勢力のアジアでさえ、営業のほうが力があります。

それは、どんなに良いものを作ったところで、売ることができなければ利益を生まないからです。
日本以外のほとんどの国は、マーケティングが重視される社会なのです。

どうして日本がものづくりを重視する社会なのか?と問われると、きっとこうだからなんじゃない、という推論はあります。


1.なんでも「~道」とかを見出し、職人、または職人的な見識を尊重する風潮がある
正しいことを正しく説明されると、それを論破しない、またはできない、というトークスキルの問題。習っていないから日本人は、こういう技術。
それから、そういうことをしては悪いと、相手の気持ちを思いやる、またはわざわざ争いたくない、という心理。会社の会議とかでよく見かけますよね。

2.英語コンプレックスがあるため、話をするよりモノを見せたがる
これはもう、はっきり言えます。
とにかく言葉で説明するより、モノを見せたほうが良い、と日本人ビジネスパーソンの多くが思っています。特に海外進出を考えたとき、言葉で説明するより早い、と考えがちです。戦後すぐはともかく、景気が良くなってきて、日本製品が国際的に良品と考えられるようになってからは、特にその傾向が強いと思います。

問題なのは、昭和には通用したこの成功体験が、いまだにマーケティングを軽視する社会を作り出していることです。

ものづくりはアジアに負けているのです。

いかに良いものを作ろうと、経済力のないアジアでは、日本製品は、一部の富裕層のみが購入できる稀少品でしかありません。
いっときは輸出しても儲けが出るかもしれませんが、いずれ、ダメになります。
そこには、儲けを生み出す独自の仕組みがないからです。
つまり、マーケティングと営業が弱いのです。

今回のほまれ酒造がすばらしい点は、マーケティングを考え、将来像をイメージして国際コンペにエントリーしたことです。カリフォルニアのワインのように、会津を日本酒ツーリズムの拠点にしたい。なんとステキなことでしょう。

唐橋社長のような経営者が、もっとたくさん、そしてたくさん発言できなければ、日本の将来はとても暗いと思います。

もうひとつ暗いのは、日本酒の国際コンペの主宰が日本ではないこと。
最近では、海外でも日本酒、つまりお米で酒を造る時代なんですよ。日本が国際コンペを主宰しないでどうします?

会津ほまれ山田錦仕込み吟醸酒・魂1.8L(福島県産)
by カエレバ