中小企業の海外進出を国が後押しするワケ

地方自治体の補助金や助成金情報を見ていると、中小企業を対象とした海外進出に関する補助金や助成金が目立ちます。


中小企業等外国出願支援事業補助金
特許など、知的財産を守るための費用の一部を補助します。
海外見本市等出展事業助成金
販路開拓等のために海外で開催される見本市等への出展に係る費用の一部を助成します。
海外市場獲得サポート事業助成金
海外での市場調査及び販路開拓に要する経費の一部を助成します。


これらが、最近発表になった補助金と助成金の特徴です。
自治体ごとの情報については下記サイトをご覧になってください。
http://www.makiko-omokawa.jp/


このような補助金や助成金は、経済産業省の管轄です。
以前はクール・ジャパンと掲げていましたが、結局のところ、大手企業にはこれといった目玉商品がなく、中小企業のモノづくりをバックアップすることで、日本企業の海外進出を図ろう、ということのようです。

たとえば、 「NIPPON QUEST™(ニッポン クエスト)」というWebサイトを立ち上げ、「クールジャパンによる地域活性化の推進のため、 世界が知らない日本のふるさと名物を、地域発で世界へ発信」しています。

また、中小・中堅企業の成功・失敗に関する具体的な事例を約200社分とりまとめたWebサイト「ミエル☆ヒント-成功のカギ・ワナ-」というWebサイトも、この夏スタートしています。

このサイト、細かく情報が整理してあり、目的に応じた情報に到達できるように作られています。
少しばかり、理解が遅い方でも、性格診断のようにどんどん進んでいくことができるので、直感的な理解ができるかもしれません。


海外進出に、様々な手厚い補助があることはすばらしいと思います。
お金がないと何もコトが進まないのが海外です。

ですが、これって結局、クール・ジャパン政策が批判を受けた結果なんじゃないの?と思いたくなります。

クール・ジャパン推進事業として、ファッションやコンテンツ、食などの海外展開事業に対する補助を行ってきましたが、どの事業も、単年度予算で、単なるイベント開催に終わり、結果がともなっていないという批判を受けていました。

実際、過去の事例を見ると、いちおう成功みたいに書かれているけれども、実際に地元メディアが取り上げたのかどうか不明のうえ、売り上げも公表されていない、というものばかりです。

私自身、ある企業と一緒に、クール・ジャパンに応募したことがあるので書けることですが、印刷物は計上できても、それをよく見える場所に張ってもらったり、それこそ取材に来てもらったりするための費用は計上できません。
領収証ありきの経費計上なのです。

アジアに限らず、海外で仕事をしたことがある方ならご存知だと思いますが、バックマージンや裏金、取材お礼と称する賄賂など、領収証のないお金がかかるのが、ある意味、海外進出にはつきものです。

そういうお金こそ補助・助成してもらって、本当に必要な部分に元手は使いたいと、経営者なら考えてもおかしくありません。

そういう意味では、日本政府が、ようやっと日本のこまごまとした情報を多言語Webサイトで情報提供し始めてくれたのは、良い兆候だと思いますが、補助金を出してまで中小企業をあおって、そのあとはどうしようと思っているんでしょうか。


補助金や助成金をもらうとその産業がダメになる、という人もいます。

私はダメになるとは思いませんが、書類作りに消耗することは間違いないと思います。


それと、これらの補助金・助成金の申請には、税理士さんなどの士業の方が入ったほうが良い、とも言われます。書類を作ってもらうために、数10万円とか、かかると言われています。

ということは、つまり補助金や助成金を大量に出して、しかも細かく分類することによって、仕事が少なくなっている士業の方々に仕事を与えているとも考えられるわけで・・・・。

実際、税理士さんの仕事は、すばらしい会計ソフトの登場と流通で、かなりの部分で減っています。かつては個人事業主でも税理士に頼んでいた確定申告は、個人で十分に対応できますし、法人でも大規模でなければ問題なく動くアプリも多いのです。


国の政策を、すなおに受け取れない。
私のような人は少なくないと思います。