【畠中 恵】 「まんまこと」





現在NHKで放映している木曜時代劇「まんまこと~麻之助裁定帳~」の原作を読了。

ドラマ開始とほぼ同時に出版されている4巻を購入して読み始めたのですが、ドラマもそろそろ終わるぞ、というこの時期までかかってしまいました。

著者は元漫画家、代表作「しゃばけ」シリーズ、というキャリアから色眼鏡で見てしまいがちですが、本シリーズは、江戸の町民ものとして、実にリアルに生き生きと描かれています。
映像が、文字を通してよみがえる、という感じです。


しかも、町名主という、今なら家裁の判事みたいな役割の高橋家を中心に話が展開していきます。主役の麻之助、その友清十郎は、身分は高くはありませんが、生活には困らない程度の家に生まれたお坊ちゃま達。
そのお坊ちゃま達が、持ち込まれた事件を解決する、という物語です。

設定がまず良いです。家裁の判事。
町民同士のもめごとはなんでも持ち込まれてくる、というところがいいですね。

そして、イケメン坊ちゃまの清十郎、堅物の同心見習い吉五郎、そしてお気楽坊ちゃまの主役・麻之助という幼馴染トリオも絶妙な取り合わせです。

そしてもっとも良い点は、本シリーズは、時系列に読まなくとも十分に楽しめるという点です。

実際、私は最新刊(4巻目)から読み始め、最初に戻り、次に3巻目を手に取り、最後に2巻目を読みました。

どこから読んでも、そういうスタートだと思えば、まったく違和感がありません。

なぜなら、1話1話の完成度が高いからだと思うのです。
物語に引き込む力があります。
そして、十分に説明があるので、シリーズを最初から読まなくとも「ああ、こういう人なのね」「こういう背景なんだ」と理解しやすいのです。

もちろん書かれた順番に、時系列で読まれたほうが良いとは思いますが、そこまでこだわらなくとも大丈夫です、と言いたいのです。


ちなみに、ドラマのほうは、ホンシリーズの良さがうまく表現できていないと思います。
1話完結の本書のエピソードをそのまま引き写しているドラマなので、ちょっと単調な印象を受けます。はっきり言って、原作のおもしろさを、かなり減じていると思います。
これは脚本家の問題なのか、制作サイドなのか、はたまた原作者のこだわりなのかわかりませんが、ちょっと面白くない。

ドラマにするなら、複数のストーリーを交錯させて、前後編にしてもいいのにな、と思いました。

以前「しゃばけ」もNHKでドラマ化した記憶がありますが、その時も、なんか食い足りないな~と感じたものでした。NHKではドラマにしにくいのかもしれません。

著者の漫画家的なちゃめっけのようなところがなくなってしまい、テンポが悪く、歯切れも良くない感じなんです。原作が良いだけに残念です。


というわけで、ぜひ民法でギャグタッチでドラマ化してほしいシリーズです。


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