家賃が半分になっている、都心まで1時間以内のエリアとは?


日経新聞の記事に「家賃2万円台、首都圏マンション激戦地を歩く」というのがありました。

首都圏で2万円!
と驚いたので、さっそく読みました。

そして、新聞社系のWebニュースは、そのうち見られなくなってしまうので、ここに要約しておこうと思います。

まずは、家賃下落の原因から。


1.大学移転

大学の都心回帰の影響で家賃が大幅に下落している地域は、青山学院大学相模原キャンパスの最寄り駅周辺、千葉県松戸市や東京都八王子市や日野市の一部など。

大学の都心回帰の傾向は止まらず、八王子に本拠を置く中央大学が法学部を都心部に移転する方針を発表したばかり。

学生をあてにしたマンションに空きが出てきていて、相模原駅で2万円という家賃が出てきているようです。

都心から50分程度のJR西八王子駅前の不動産会社には「(駅まで)30分歩いて1000万円ためた」との広告もだしているほど。




2.駅から徒歩15分以上で築年数の古いワンルームマンション

大学や工場が移転したわけでもないのにマンションの賃料が大幅に下落したのがJR西千葉駅(千葉市中央区)周辺。

千葉駅から1つ都心寄りにあり、東京駅まで電車で40分余り。

駅周辺には千葉大学、千葉経済大学、東京大学の研究所などがあり、会社員や学生が多く住むエリアだそうです。
同区の人口は増加が続いているそうですが、学生向けの単身向けのマンションを造り続けた結果、ついに部屋が余り始めたという分析も。

これは、先日読んだ「貯金兄弟」にもありました。

倹約して貯金が趣味の弟が、駅から15分以上離れた場所に1戸建てを購入しますが、その後、価格は下がってしまい、手放すのにも苦労した、というくだりがありました。

しかも、小説の中のその場所周辺がこのあたりなので、フィクションとはいえ、経営コンサルタントと公認会計士・税理士・行政書士の方たちが書いた内容だわ、と感心しました。


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この傾向は大阪でも同様のようで、「建設費の高騰が賃料への上昇圧力としてあるにもかかわらず、郊外の利便性の良くない地域は逆に賃料の下落が目立つ。また大手家電の下請けが多い地域は景況感が悪く賃料への下落圧力が強い」(大阪市の難波不動産鑑定)のが特徴だとか。


3.人口減少でも、新築人気、そして相続対策で、新築供給は止まらない

新たに造る物件は昔の物件と比べて広めで、設備やセキュリティー機能なども充実。

全体のパイが増えない(人口減少)のに、新規の物件が増えれば増えるほど、既存の物件の空室が増え続け、条件の悪いものから家賃が下落する、という循環になっているようです。

そりゃ、借りる方にしてみれば、安くて古いマンションより、ちょっと高くても新しいところに入りたい、という希望は強いですよね。

私自身の経験ですが、新築マンションのほうが、エコ住宅で熱効率が良い、という感想を持っています。なので、電気代が安くなる傾向があります。


都心まで1時間以内でも、条件次第では2万円台で済むことができる単身者用マンションがある、というのは、目からウロコの記事でした。


23区内に住みたいと思っていらっしゃたら、「23区格差」もご一読ください。


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