【池田 利道】 「23区格差」



 「23区格差)」読了。

一般社団法人東京23区研究所所長による、東京23区を分析したもの。
帯の刺激的な数字にそそられて購入。

最近、この手のリサーチ系を読んでいなかったので、ちょっと新鮮でした。

人口減少社会になって、ふたたび東京一極集中が始まっているなか、23区間でも、大きな格差が生まれていると指摘するとともに、自治体の魅力をいかにして作り出すか、どのように発信していくか、についても示唆してくれます。

この示唆を一言であらわせば、「その常識は間違っている」ということです。

たとえば、冒頭に出てくる「23区常識のウソ」には、なるほど、と唸りたくなります。

中身は、

  • 「少子化」というウソ
  • 「高齢化」というウソ
  • 「人口増の中心は山手エリア」というウソ
  • 「定住こそが発展の礎」というウソ

の4点。

東京23区に限っては、世間で大きな問題になっている少子化や高齢化は進展していないどころか、改善してさえいるのです。

そのポイントは、ストックなのか、それともフローなのか?という視点の違いです。

人口の動向に関していえば、ストックとは自然増減に関すること、フロートは社会増減に関することと言い換えることができるだろう。これに照らすと少子化は「ストック」の問題である。
ストックをこれ以上減らさないために少子化の流れを変えないと、日本の未来が危ういということに異論はない。しかし、この難題に一地方公共団体が対応できる範囲には限界がある。その一方で、魅力あるまちづくりを通じ、社会増を生み出すというフローへの対応は、どこだろうと努力次第で成果を上げることができる。

つまり、自治体の施策さえ間違っていなければ、少子化も高齢化も、克服できるフローの課題になるということです。

本書は、23区を詳細に比較検討したものですので、引っ越しを考える方、特にマンションの購入などを検討している方におすすめです。


23区格差 (中公新書ラクレ 542)

池田 利道 中央公論新社 2015-11-07
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ちなみに、私個人の都内遍歴を書いておこうと思います。
あんまり参考にならないと思いますけど。

大学入学のために、最初に住んだのは、荒川区でした。
友人とふたりでマンションを借りました。

当時の学生が住むところといったら、まずお風呂がありませんでしたから、銭湯に行ったことのない私には、心理的ハードルが高くて、お風呂のある家に住みたい!と。

二人ならいいだろう、ということで高校の友人と一緒に、新築のマンションに住んだのでした。

大学は杉並区だったのに、なぜ荒川区なのか?

これには深いワケがあります。

伯父が、当時、荒川区の中学校の校長をしていて、何かあったときに駆けつけることができる距離、ということのようでした。

住む前は、大学からかなり遠いことなど知りませんでしたので、住んでみてからちょっとびっくりしました。

住んだマンションは都電の駅のすぐ前で、毎日の通学も都電です。

バイトは、町屋周辺の中学生の家庭教師をしていました。
いちおう、全員合格させてます。

バイトは楽しかったし、住んでも楽しいところだったのですが、なんせ大学から遠い。
一緒に住んでいた友人は渋谷の大学だったので、2年住んで、更新はせず、次を探しました。


次に住んだのは、池袋です。

それも北池袋のほうで、駅を出ると、いろいろとやばい系のお店が立ち並び、立ち飲み屋さんや、なかなか味のある居酒屋さんがありました。

ここは、ある事情があって1年しか住みませんでした、というか、住めませんでした。

なんとなくですが、犯罪の香りがあって、近所にお住いの方々も、荒川区のようなわかりやすさがなく、気味が悪い感じです。

実際、この池袋のマンションに残った友人は、マンションで痴漢被害にあうなどして、嫌な思いをされています。

本書にも書いてありましたが、男性優位なエリア、という印象はすでにありました。

それと、山手線の痴漢頻発区間(池袋―新宿)を利用していたため、電車に乗るたびに痴漢にあう、という感じでした。
痴漢も何人か捕まえています。


3番目に住んだのは、代々木上原と代々木八幡の間、住所は渋谷区初台でした。

山手通りから少し入ったところで、静かなハイツです。
古かったので、今はなくなっていると思います。

ここを選んだのは、当時のバイト先が原宿だったから。

もはや大学に行くことは優先されておりません。

このころになると、すっかりバブルな女子大生になっておりまして、深夜まで遊び歩くことは当たり前、という感じでした。

朝まで原宿・青山周辺で遊んでいるので、帰りはタクシーという感じです。

タクシー券をもらっていたので、タダで乗車することも多かったのですが、遠いと乗車時間が長くなります。

その点、歩いても帰れる距離に住んだことで、私のナイトライフは充実の一途を遂げるのでした。



ここはとっても良かったのですが、大学を卒業して、さらに引っ越します。

といっても、山手通りを渡って、反対側の代々木公園近くに部屋を借ります。

ここは、個人オーナーで、上の階に大家さんがお住まいという、女性にとってとても安心なところでした。

居心地も良かったので、結局、大家さんが高齢になって売却するまで、10年以上住み続けました。

代々木八幡は下町っぽい雰囲気があるのですが、代々木上原方面に出かけることも多かったです。
上原方面のほうが、おいしい飲食店が多く、はしごもしやすかったですね。

移動するのにはとっても便利な場所で、千代田線を使えば、どこにでも行けましたし、バスを使って新宿や渋谷に出かけるようにもなりました。

今では日常の足になっているバスも、代々木公園近くに住んで、初めて利用するようになりました。


先ほども書きましたが、10年以上住んだこのアパートの立ち退きを迫られ、最初は馴染みのあるご近所で引っ越し先を探していましたが、なかなか条件に合う物件が見つかりません。

ネットで何度も検索をしているうちに、「港区ってどうだろう?」とひらめきました。

そして、決めたのが現在の住まいです。

高層マンションの高層階に、初めて住んでみて、東京の夜景のすばらしさがわかりました。

ですが、夜景は1か月で飽きる、と言われているようで、実際に1カ月もすると夜景を楽しむようなことはなくなりました。

ここに住んで10年以上、東向きの部屋から見えたディズニーランドの花火は見えなくなり、お台場のフジテレビも半分以上隠れ、レインボーブリッジは全く見えなくなりました。

港区に高層ビル、高層マンションが増えた10年間を、目の当たりにして暮らしてきました。


代々木公園から麻布に引っ越してきてわかったことは、圧倒的な利便性です。

まず、どこに行くにも近い。

東海道新幹線なら品川駅まで都バスで15分、羽田空港まで1時間もかかりません。

銀座に行くなら新橋駅まで都バスで20分、そこから銀座通りを歩けば銀座4丁目までかかっても40分くらいでしょう。


おまけに、商店街がアツい。

麻布十番商店街は有名すぎるので書きませんが、地元の四ノ橋商店街は、夏祭りや秋祭りが盛んです。

出店が出て、カラオケ大会があったりして、とにかく楽しそう。

夕方になると、野菜の卸商とおぼしき方が、売れ残り野菜を破格の安値で販売してくれます。

ほとんどの野菜が100円から150円で手に入りますから、野菜はここでしか買わなくなってしまいました。

魚屋さんは、クィーンズ伊勢丹とそん色のないお値段なのでほとんど利用しませんが、ネタは間違いなく良いです。

商店街を利用するようになると、近所のスーパーとの使い分けをするようになりました。

肉や魚は、クィーンズ伊勢丹か肉のはなまさ。
野菜は、夕方オープンする八百屋さん、という感じですね。

場所柄コンビニも充実しているので、細かい買い物はコンビニ、文具などはキャンドゥ、という感じでしょうか。

そのうち、ここも引っ越すことになると思いますが、荒川区 → 豊島区(池袋) → 渋谷区 → 港区、と住んできて、また住むならどこが良いですか?と聞かれたら、ダントツで港区です。

利便性の良さ、工夫次第で生活コストを下げることができる商店街があることが、一番の理由でしょうか。