【吉田 修一】 怒り



ただいま放映中のドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」に主演している高良 健吾さんの主演映画「横道世之介」の原作者である吉田 修一の「怒り(上・下)」読了。


怒り(上) (中公文庫)

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怒り(下) (中公文庫)

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読書は移動中、が基本の私ですので、文庫本2冊なら長距離移動2,3回分と思っていたのですが、読み始めこそ水戸への特急の中でしたが、読み始めたらやめられず、結局夜中まで読んでしまいました。


一気読みです。


本作は、今年9月に映画化も決まっていて、「悪人」で主演を務めた妻夫木 聡、不思議な役どころの多い綾野 剛森山 未来松山 ケンイチ広瀬 すず宮崎 あおい渡辺 謙 等、そうそうたる出演者を揃えての映画化です。



大河主演者が4人もいる豪華さです。
これは期待しちゃいます!

私は、吉田作品は「横道世之介」しか読んだことはありませんが、本作のほうが吉田作品の主流のようですね。


本作のテーマは「信頼」なのか「疑念」なのか?

未解決事件を紹介するテレビ公開捜査によって、犯人と似た顔を持つ男たちに、きわめて親しい者たちが「もしかして・・・」と疑念をもったら、ということを描いた小説です。

疑念を持たれる者には他者には話をしたくない事情があり、疑念を持つ側にも問題がある。

しかし、そんな人たちは現代にはとてもたくさん存在する、という現実とともに迫ってきます。

そして、なかなか見つからない犯人の痕跡を追う刑事たち。

これらの人々が交錯しながら、ストーリーは進行します。


登場人物が多く、場面転換も頻繁にあるため、読者は先へ先へと誘導されてしまいます。

だから一気読みしちゃったんですね。

真犯人について、なかなかわからないように描かれているので、これも一気読みしてしまった原因かもしれません。


意外な結末を迎える本作は、映画を観る前にぜったい読んでほしいものです。

イメージ的には東野 圭吾の「真夏の方程式」に似ていると思います。


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