【上橋 菜穂子】 「蒼路の旅人」



上橋 菜穂子 さんの守り人シリーズ第6作「蒼路の旅人」読了。

タイトルに旅人とあるとおり、「虚空の旅人」につづく、チャグムが主人公の物語です。

そして、守り人シリーズの完結編「天と地の守り人」3部作への導入となる作品です。


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しかも、昨日の深夜から、NHKでアニメの再放映がはじまりました。

アニメのほうは、綾瀬はるかとは異なり、少々ごついイメージのバルサになっています。


今思うと、アニメを見なかったのは、このキャラクターのせいですね、きっと。
わたしの好きではない絵です。


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さて、「蒼路の旅人」です。

本作は、「虚空の旅人」であきらかになった南の大国・タルシュ帝国の北方への侵略が、北方諸国に影響をあたえはじめたことから、物語がはじまります。

しかも、成長するにつれ、英明な皇太子として人気がたかまっているチャグムに嫉妬し、またも暗殺しようとする父の帝の策略など、よくニュースなどでもつかわれる「内憂外患」状態。

おまけに、いままでチャグムを支えてきてくれた将来の聖導師(帝の相談役というか政治のトップ)候補のシュガは、事情があってチャグムにつきそえません。

本作は、チャグムが、大人へと成長する入口にたったことを示す物語なのです。

少年から青年へと成長するチャグムが、したたかな皇族として、このあとの完結編で活躍するだろうことを予想させてくれます。

また、いっきに守り人シリーズの世界が拡大するのも本作です。

タルシュ帝国の発展している様子や、政治制度など、チャグムの目を通して説明されています。

これを読むと、ローマ帝国と、その帝国運営の歴史を思い出します。

圧倒的な文明で、周辺諸国を属国としていったローマ帝国については塩野 七海 さんの「ローマ人の物語」にくわしいので、ぜひお読みください。

蒼路の旅人」の物語は、チャグムが、北方にもどるべく、ひとり荒海に旅立つところで終わっています。

このまま一気に完結編へと進むしかありません。


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