日経産業新聞「風向計」に会津ほまれ酒造 唐橋裕幸社長にご登場いただきました




本日付の日経産業新聞のコラム「風向計」に、会津ほまれ酒造 唐橋裕幸社長にご登場いただきました。

会津ほまれ酒造 唐橋裕幸社長
会津ほまれ酒造 唐橋裕幸社長

ちょうど実家に戻っていましたので、喜多方市にあるほまれ酒造の雲嶺庵でインタビューさせていただきました。

雲嶺庵で、あらたにIWC金賞を受賞した大吟醸を購入し、帰りには馬刺しを買って帰ったことはいうまでもありません。


このブログをお読みいただいている方はすでにお分かりのことと思いますが、インタビューの内容はIWCチャンピオン・サケを昨年受賞して、海外展開はどうなっているのか、ということでした。


雲嶺庵に入るとすぐに展示されているIWC受賞銘柄

念のため書いておくと、ほまれ酒造の播州産山田錦仕込みの純米大吟醸は、先日の伊勢志摩サミットで各国首脳への手土産として渡されています。

このような快挙もあって、昨年からインタビューしたいな、と思っていた唐橋社長とやっとお目にかかることができました。

詳しくは今日の日経産業新聞本紙に譲るとして、コラムには書かなかったことをいくつか紹介したいと思います。


ほまれ酒造は4代目の唐橋社長に10年ほどまえに代わってから、経営を見直し、日本酒という事業のあり方において、リスクをとる経営判断をなさってきたそうです。

聞けば、日本酒業界とはリスクをとらない経営が主流で、勝ち組と負け組の明暗がでてきているというのです。もちろんリスクをとっているような酒蔵が勝ち組となっていることはいうまでもありません。


ほまれ酒造の例でいえば、創業者の残した資産でもある、1300坪の広大な敷地にある日本庭園を目玉にした雲嶺庵を、試飲にやってくるお客様のために開放したことでしょう。
銀行に多額の借入をしてスタートしましたが、今では毎年売り上げを増やしているのだとか。

行ってもらうのが一番なのですが、雲嶺庵は、京都の呉服屋さんが展示即売会をするような場所なのです。

わたしはかつて京都の呉服屋さんとお付き合いがあったので、はじめて雲嶺庵に行ったとき、まるでデジャブのような感じでした。

雲嶺庵の奥にある和室
ここでイベントを行うことも
原生林を生かした庭園

部屋からのぞむ庭

東日本大震災のときに、米軍の「トモダチ・プロジェクト(作戦だったか?)」によって助けられましたが、その後も民間レベルで「トモダチ・プロジェクト」が継続していて、日米間で経営者たちが集まって会合を開いているのだそうです。ご存知ですか?

その「トモダチ・プロジェクト」が、雲嶺庵を会場に、初めて福島にやってくるのだそうです。
もちろんホストは唐橋社長です。


東日本大震災の影響は、良くも悪くも今もあって、中国には日本酒が輸出できない状況が続いています。もちろん原発事故が原因です。

しかし、このような状況もすこしずつ改善していて、台湾では日本酒が大人気。
輸出量も回復していますが、IWCのような海外アワードにエントリーして賞を獲得することが、輸出拡大にも大きく寄与しています。


唐橋社長は、会津地方を、日本酒版ナパ・バレーにしようという夢を持っておられます。
生産と観光が一体化した、まさしく地方創生です。

しかし、そこには様々な問題点もあります。

日本酒業界では、観光などを視野に入れた酒蔵をつくろうとすると、町中にある酒蔵は郊外に移転しなければなりません。

醸造という生産拠点の移転には数億円の費用がかかるそうで、零細企業といっても良い多くの酒蔵に、そのようなリスクをとることはできないでしょう。

また、日本酒の原料である米の生産にも不安があります。
生産者の高齢化によって、米の確保が難しくなっているのです。
とくに人気の酒米になると相場になり、ときに思わぬ高値となるのだそうです。

酒蔵のなかには、自社で原料米を生産するところも出てきていますが、酒造りに集中したい酒蔵も多いのです。

日本の文化でもある日本酒の将来には、実はこんな暗雲が立ち込めているのです。


世界的にコメを原料としたライスワインがつくられていますが、このような競争は日本酒の将来にとってはプラスである、というのが唐橋社長のお考えです。

そして、日本酒の原料には、日本の米が最適なのだそうです。

たとえば、原料米がないからといってカリフォルニア米を輸入して日本酒をつくることはできても、味わいは格段に落ちるようです。

なぜかといえば、水がちがうから。
日本の水は軟水ですが、世界の多くは硬水、ということに関係があるようです。


もちろん技術的にも日本の酒蔵のほうがまだまだ上。
いずれ日本以外の国でつくられた日本酒が金賞をとるようになるのかもしれませんが、かなり先のこと、と唐橋社長は見ています。


わたしが日本酒をたしなむようになってまだ数年ですが、酒蔵の事情など、とてもおもしろく興味深いお話を伺うことができました。

唐橋社長の挑戦はこれからも続きますが、折に触れ、紹介させていただきたいと思います。



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