【一田 和樹】 「原発サイバートラップ リアンクール・ランデブー」




午前中に届いた「原発サイバートラップ: リアンクール・ランデブー」読了。
けっこうなボリュームがあって5時間くらいかかりました。

作品のなかでは半日くらいの出来事なので、読むのに同じくらいの時間がかかると思ったほうが良いかもです。


原発サイバートラップ: リアンクール・ランデブー

一田和樹 原書房 2016-08-08
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この作品については、昨年10月末に一田さんにお目にかかったときに、ネタふりされてまして、その時は全然思いつかなかったんですよね~、回答が。


たしかこんな感じでした。

韓国の原発がクラッキングされて、使用済み核燃料がドローンで空中浮揚していて、誰でも、どこにでも動かすことができる。
これで数百億円がすぐに稼げる方法は?

わたしが思いついたのは、ドローンのGPS情報を売ること、だったんですけど、本書を読んで全然スケールが違うじゃん、と思い知りました。


本書は、一田作品の中でも、もっとも映像化される可能性があるな、と思いながら読んでいました。
それも日本より韓国で、映画のネタ元になる感じ。

3割くらい読んだところで、私が想定したのは、こんな感じです。

  • テロリストは在日韓国人とその支援者
  • 日韓双方に良いとは言えない感情を持っている
  • テロの目的は政府のかく乱と当然ながら金銭

でも、このテーマで在日韓国人をテロリストに設定することはないかな~、と。
これが韓国で映画化されたら、そういう設定もありかな、そういう情念が背景にあると感情移入もしやすいかな、と思ったまでで。



ここからはネタバレになっちゃうので、まだ読んでいない人は飛ばしてくださいね。


本作は、「一介の愛国者」の言葉に代表される、数名の日本人。

テロリストにアイデアを与え、育てあげて、軍ネット複合体となり「サイバー戦争の犬たち」と呼ばれるサイバーセキュリティ企業を弱体化させることが目的です。

なぜか?

それは、サイバーセキュリティという新たな国防体制に、どうしようもないほどに遅れてしまった日本がなんとかできる環境をつくりたかったから。

今までの一田作品にも通じる、平和ボケした日本人のセキュリティ意識をガツンと殴りつけるような内容です。

また、サイバーテロリストとその手先になってしまう女性たち。

彼女たちは、多くの働く女性のネガティブな感情を最大化したものと読むこともできて、日本における「見えない天井」の根深さを描き出しています。



ここからは私のたわごとに戻ります。

ちょうど昨年10月にお目にかかる少し前に、いろいろな情報を、たまたまですが一田さんにいただきました。
今おもえば、あれは、本作を書くための資料の一部だったんですね。

わたしの記憶に引っかかっていたキーワードや事件、出来事などが、本作のあちこちに散見されました。


しかも、謝辞には、わたしが紹介した方のお名前が!しかも二人も!
いままでは一人だったのに増えてる!

うむむ、彼は私より先に答えを知っていたのかー。

と、作品を読み終わった直後に、うれしいんだけど悔しいような気持になりました。

あ、昨年10月にネタふりされたときに一緒だったんです、その彼は。


さてさて、ぜひ本作は、日本で映像化してほしいです。
でも、あちこち動いて毒を吐くのが吉沢だけだから、絵的にはおもしろくないかもですねー。

テロリストの女性達はいろんな背景があってそれなりの存在感がありますが、脇役だから映画にしたらちょっとしか出てきませんしね。


やっぱり、韓国映画でなんとかしてほしいかな!



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